生成AIで仕事を時短する5つの使い方【メール・要約・調査・資料】
生成AIが得意な作業と苦手な作業を整理し、メール、要約、調査、資料作成など身近な業務での使いどころを学びます。
- 生成AIの基本的な用途を説明できる
- 自分の業務で使える場面を3つ見つける
- AIに任せる作業と人が確認する作業を分けられる
事務やバックオフィスの1日は、メールの返信、会議の議事録、資料の要約、調べもの、報告書づくりの繰り返しです。その多くの時間が、じつは「ゼロから文章を書く」ことに消えています。生成AIがいちばん役に立つのは、まさにこの「下書き・要約・整理」の部分です。
このレッスンでは、非エンジニアの方が今日から使える代表的な5つの使い方を紹介します。①メールの返信文案 ②長い資料・記事の要約 ③会議の議事録 ④調査・情報収集のたたき台 ⑤資料・企画書の下書き。たとえば議事録づくりは、文字起こしを渡すだけで60分の作業が10分ほどに短くなります。
大切なのは、AIに丸投げしないことです。AIが出すのはあくまで「たたき台」で、最終確認は人がおこないます。まずは承認のいらない自分用の下書きから始めれば、間違えてもリスクはほとんどありません(会社にAIの利用ルールがある場合は、先に確認しておきましょう)。
AIに任せる仕事を見分ける
最初のコツは、任せる仕事を選ぶことです。承認がいらず、間違えても取り返せる、下書き段階の仕事から始めます。自分用のメモ、社内向けメールの下書き、議事録の整理などが最適です。逆に、最終判断・金額・契約・対外文書は、人が主導します。
「ゼロから」ではなく「たたき台づくり」を頼む
仕事でいちばん時間がかかるのは、白紙を埋める最初の一歩です。生成AIは、このたたき台を出すのが得意です。「完成品」を期待するのではなく、「8割の下書きを作らせて、人が2割を仕上げる」と考えると、失敗が減り、速くなります。
相手・目的・条件をセットで伝える
「メール書いて」だけでは、平凡な答えしか返ってきません。相手・目的・条件・長さを一緒に渡すと、質が一気に上がります。この「指示の出し方」は次のレッスンでくわしく扱います。
必ず自分で確認して仕上げる
AIの出力は下書きです。数字・固有名詞・日付・敬語が正しいかを確認し、最後は人が責任を持って整えます。特に社外に出す文章は、送る前に必ず読み返します。
【 】の部分を自分の業務内容に置き換えて、そのまま貼り付けて使えます。
01 メモから、取引先への依頼メールをつくる
使う場面:箇条書きのメモしかないが、丁寧な依頼メールを早く送りたいとき
あなたは丁寧なビジネスメールが得意な営業担当者です。 以下のメモをもとに、取引先へ送る依頼メールを作成してください。 # 条件 - 相手:取引先(初めての依頼) - 敬語で、ただし堅すぎず読みやすく - 「依頼の背景 → お願いしたいこと → 期限」の順 - 300字程度 # 出力形式 件名と本文を分けて出力 【メモ】 (記入例:新製品の資料がほしい/今週金曜まで/担当は田中さん)
02 会議のメモを、議事録に整理する
使う場面:会議の走り書きや文字起こしを、共有できる議事録にしたいとき
あなたは会議の内容を整理するのが得意なアシスタントです。 以下の会議メモを、社内共有用の議事録にまとめてください。 # 条件 - 事実と意見を分ける - 決まっていないことは「未決」と明記する # 出力形式 - 決定事項 - 宿題(担当者・期限つき) - 次回までの確認事項 【会議メモ】 (記入例:ここに文字起こしや箇条書きメモを貼り付ける)
03 長い資料を、上司報告用の3行にまとめる
使う場面:長い資料やメールを、上司にすばやく報告したいとき
あなたは要点をつかむのが得意なアシスタントです。 以下の文章を、上司への報告用に3行で要約してください。 # 条件 - 1行目に結論、2行目に理由、3行目に次のアクション - 専門用語は避け、そのまま口頭で言える言葉で # 出力形式 3行の箇条書き 【文章】 (記入例:ここに要約したい資料やメールを貼り付ける)
・結論:新プランは来月から、実質で約10%の値上げになります。
・理由:原材料費の高騰が続き、現在の価格では利益が確保できないためです。
・次のアクション:既存のお客様へ、今週中に案内メールを送付します。 このように「結論から」整えてくれるので、あとは数字と固有名詞が正しいかを確認するだけで報告に使えます。「約10%」などの数字や日付は、必ず元の資料と照らし合わせてください。
いきなり「完璧な文章」を期待する
AIの出力はたたき台だと考えます。一度で完成させようとせず、「もっと簡潔に」「表にして」「結論だけ書き直して」と追加で直していくほうが、結果的に速くなります。
指示が「メール書いて」だけで曖昧
相手・目的・条件・長さを一緒に渡すと、質が大きく変わります。くわしい書き方は次のレッスン「プロンプトの型」で扱います。
会社の資料や顧客名をそのまま貼る
機密情報や個人情報は入力しないのが基本です。固有名詞は「取引先X」などに置き換えます。判断に迷うときは「入れてはいけない情報」のレッスンを先に読んでください。
- 会社名・人名・数字・日付が正しいか、元の情報と照らし合わせた
- 機密情報や個人情報を入力していない
- 相手や目的に合った敬語・トーンになっている
- AIの文章を、自分の言葉・状況に合わせて直した
- 承認が必要な内容は、送る前に上司に確認した
自分の1日の業務を書き出し、AIで短縮できそうな作業を3つ選びます。
生成AIを使うと、いずれ仕事はなくなりますか?
すぐになくなる可能性は低いと考えられます。今の生成AIは「下書きや整理を速くする道具」で、最終的な判断と責任は人が担います。むしろ、AIを使いこなす人ほど、定型作業を短時間で終わらせて、本来の仕事に集中できるようになります。
無料版でも仕事に使えますか?
今回紹介した「下書き・要約・整理」は、無料版でも十分に始められます。ただし無料版は、一度に扱える文章の長さやメッセージの回数に上限があるため、長い資料は分けて渡すのがコツです。
どの業務から始めるのがいいですか?
承認がいらず、間違えても取り返せる作業から始めるのが安全です。自分用のメモ、社内向けメールの下書き、議事録の整理などが向いています。金額や契約に関わるものは、慣れてから慎重に扱いましょう。
まずは今日の仕事の中から1つ、「これはAIにたたき台を作らせても大丈夫」というものを選んでみましょう。おすすめは、自分用のメモや社内メールの下書きなど、承認のいらない低リスクな作業です。慣れてきたら、次のレッスンで「指示の出し方(プロンプト)」を身につけると、同じ作業がさらに速く、正確になります。
無料レッスンは個人の実践。法人向けには社内導入の仕組みを提供します。
生成AI導入リーダーシップ・プログラムでは、管理者向けロードマップ、社内AI利用ルール、部署別活用設計、社員Activation Pathsまで含めて設計します。